骸を嫁にっ! (1) [小説]

ここはとある会議室。
どことなく張りつめた空気が漂っている。

総勢人数は15人、全員お互いを宿敵を見るような目で見ていた。

会議室に彼らが集まってから早10分、沈黙が続いている。

そんな中、その内の1人が声を発した。

「オイ、ここにオレを呼んだのはだれだ?」

銀髪の少年が声を荒らげる。

すると、それを皮切りにそれぞれがしゃべり始めた。

「君たち、なんでここで群れてるんだい?」
「そう言うお前がここにいることの方がめったにないと思うぞ?」

黒髪の少年とイタリア系の青年が会話を交わす。

「本当だよー! しかも骸クンいないしー!!」
「うるさい・・・少し黙って」

三白眼の青年の落ち着きのなさに帽子をかぶった少年が注意を入れる

「俺は手紙で呼び出されたんだけど? ツナは?」
「あ、俺も 何か差出人が骸だったから、慌てて出てきたんだけど・・・」

ツナと呼ばれた少年が何故か野球のユニホームを着たままの少年に返事をする。

「10代目まで骸の奴から・・・」

銀髪の少年・・・獄寺隼人はつぶやいた。

会議室に集まってきている人物の共通点、それは『骸が好き』ということ。
全員が骸を狙っている。

「なぁ、自己紹介とかしとかねー? ちょっと王子飽きてきたんだけど」
「それもそうだなぁ、一応やっとくかぁぁぁっ!」

騒音に勝る声量で長髪の青年が同意を示す。
自己紹介を提案した少年は耳をふさいでいるが、しっかり聞こえているだろう。

「じゃぁまずはオレからだぁっ! オレはS・スk―――」
「散れ、カスが」
「ゔおぉぉいっ!!?」

自己紹介の途中で飛ばされた。

「ボスー、アホのロン毛隊長が可哀想じゃないですかー?(笑)」
「フンッ」

赤眼の青年は心底不機嫌そうだ。
カエルの被り物をした少年は、心配だという割にはいい笑顔をしている。

「んー、これでは埒があきませんね」
「そうだな」
「全くだよ」

少々古風な服を纏った青年たちは呆れ顔だ。

「オレの知らない顔が多い とりあえず自己紹介を早くしろ」

腰に剣を携えた、一風変わった服装の青年がこの場を鎮めることにやっと成功し、
会議室に沈黙が戻ってきたのだった。
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